お客さんに
「ブルスタってどういう意味ですか?」
と、よく聞かれます。
この質問に、実は答えるのが恥ずかしくなる自分がいます。
昔から、自分のことはあまり話せないのです。
ま、そんなことないよ~。と言う声が聞こえてきそうですが、
よ~く話を聞いてみると、きっと分かると思います。
どうしてだか、自分のこととなると恥ずかしい。
ま、それはさておき・・・。
お店の名前の由来。
自分のお店ですから、当然名前も自分で決めたのですが、
実は、一番最初に決めていたお店の名前は、
ブルスタではありませんでした。
久遠
これが、最初に決めていた屋号。
なぜこれ?
この言葉に決めていた理由は、
お店に飾ってある、「書」に由来しています。
あの書を書いてくださったのは、昔からお世話になっているお客様。
当時、将来店を出したら、お店の屋号書いてね~などと、軽く話をしていた
のですが、実はとってもスゴイ方だったとは、かなり時間が経ってからわかったこと。
その方が、自分の個展に
ワインの澱で作品を作りたい
という相談を受けて、渡したワインが
Giacomo BORGOGNO Barolo Riserva Canubbi 1952
だったはず(^^;
いつもお世話になっていたので、さし上げたのですが
その時の作品が
久遠
だったのです。
そして驚いたのが、残った澱で私のためにも同じ字で作品を作ってくださいました。
ちなみに、その作品は我が家に飾ってあります。
久遠とは、久しく遠い、時間は無窮であり、永遠であること。というのが仏教の言葉
としてあります。
つまり、ワインとしての寿命が終わっても、その澱で作られた作品によって
ワインは永遠に生きている、という意味を持たせたのです。
とてもいい言葉だったので、是非にと思っていたのですが、
開店準備中に、この名前を使った日本料理屋さんが近所にオープンしてしまいました。
それで、困った!
時間的にお店の印刷物に間に合わなくなるくらいのタイミング。
そこで、初心に戻って自分のことを考えてみることに。
行き着いた答えが
ブルネッロが一番好きだ
昔とあるサイトに、コラムとしてブルネッロに対する想いを書き上げたことがあります。
その時に使った言葉が
Brunellistaブルネリスタ
ブルネッロが大好きな人という意味
として、造語を作りました。
それを縮めた言葉が
ブルスタ
だから、Bru.staブルとスタの間に「.」があるのです。
2008年2月23日。
イタリアは、シエナにあるモンタルチーノ市において、
Leccio d'Oroという大変名誉な賞を受賞させていただきました。
受賞会場となったモンタルチーノ市街にある劇場
オペラを見る、バルコニーに参列している、関係者たち。総勢400名くらい?
受賞式。マイクを持っているのは、リキュールで有名なチンザノの、オーナーチンザノさん。
男爵だったか伯爵だったかは、忘れました。
スピーチ風景。イタリア語で話しましたが、途中で・・・
壇上に一緒にいるのは、モンタルチーノに住んでいる私の友人。
この受賞ために、色々とお世話になりました。
これは、ブルネッロ ディ モンタルチーノというワインの
普及、啓蒙活動などに尽力した人間に対して贈られる賞であり、
またすぐれたワインリストを用意している店に対して贈られる賞であると聞いています。
このような大変素晴らしい賞をいただくのは、アジアのレストラン(オステリア)では
当店だけです。
またおそらくは、最年少受賞者で最も小さな店であり、最も歴史のない店が
受賞したのではないかと思います。
これも、モンタルチーノにいる友人や今まで支えてくれてきたお客様、友人のおかげ。
みんなに感謝する事を、改めて思い出させてくれた賞です。
そんな思いが、お店の名前となっています。
だから、お店の名前の由来を聞かれると恥ずかしいのです。
ブルネッロ ディ モンタルチーノと言うワインと共に、
今まで過ごしてきました。これからもずっと一緒に過ごすワインです。
毎年モンタルチーノに里帰りしています。
いつかみんなと一緒に里帰りできれば、最高ですね。
長々と書き綴りましたが、
ブルスタとは、ブルネリスタという「ブルネッロが大好きな人」という言葉を
縮めた言葉です。
これからも、よろしくお願いします。
マスター
106-0031
東京都港区西麻布2-11-10
オステリア ブルスタ Osteria Bru.sta
tel:03-5766-2678
月~金 18:30~24:00 土18:00~22:00
日・祝休み 要予約